転倒工法とは
転倒工法とは、鉄筋コンクリートの壁や塀、煙突などを立ったまま砕くのではなく、倒す向きを決めて根元や周囲に切れ目を入れ、重機や人力で敷地の内側へ倒したうえで、地上に寝かせた状態から細かく解体していく方法です。高い位置で作業を続けなくてすむため、重機のアームが届きにくい高さの壁を扱えるうえ、破片が周囲へ飛び散る範囲もおさえやすいという利点があります。一方で、倒れる勢いが大きく、いったん動き出すと途中で止められないことから、進め方を誤れば重大な事故につながります。そのため、倒す方向に十分な空きがあるか、地中に埋設物がないかを事前に確かめ、倒れる面には衝撃をやわらげるためのがらや土を敷き、作業範囲には立入禁止の囲いを設けたうえで、合図をする人を決めて進めます。鉄筋をどこまで残して倒れる支点をつくるか、一度にどの範囲を倒すかといった判断は、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者の指揮のもとで行われます。倒した瞬間は振動や音が一時的に大きくなるため、実施する日時をあらかじめ近隣に知らせておくと、苦情を防ぎやすくなります。