前室とは
前室とは、吹付け石綿などを除去する隔離区域の出入口に設ける小部屋で、作業者に付いた粉じんを外へ持ち出さないための緩衝空間です。石綿障害予防規則にもとづく作業では、隔離した区域にいきなり出入りするのではなく、隔離側から順に前室、洗身室、更衣室という三つの部屋を通る構造が求められます。作業者は前室で衣服に付いた粉じんを払い落とし、洗身室で体を洗い、更衣室で保護衣を脱いで外に出ます。この順序があることで、汚れた空気と清浄な空気が直接つながらず、繊維が外部に漏れる経路を断つことができます。前室の内部は負圧除じん装置によって周囲より気圧が低く保たれ、空気が常に隔離区域の内側へ向かって流れるよう管理されます。作業前には隔離の状態と負圧が保たれているかを点検する必要があり、これが崩れたまま作業を続ければ、周囲に石綿を飛散させる事態を招きます。現場に足を運ぶ機会があれば、出入口が単なるビニールの垂れ幕一枚になっていないかを確かめてください。三室の構造が組まれているかどうかは、隔離が形だけでないことを示す目安になります。