湿潤化とは
湿潤化とは、解体しようとしている建材や作業の発生源に水や薬液をかけて湿らせ、粉じんが空中に舞い上がるのを抑える措置のことです。現場では散水と呼ばれることも多く、重機のアームの先やホースから水を出しながら壊していく光景は、解体現場でごく一般的に見られます。乾いたまま壊すと細かい粒子が風に乗って近隣まで飛んでいくため、苦情や健康被害を避ける最も基本的な手段として位置づけられています。とくに石綿を含む建材を扱う作業では、石綿障害予防規則により、石綿等の粉じんが発散するおそれのある場所では原則として湿潤な状態にすることが求められており、大気汚染防止法にもとづく特定粉じん排出等作業の作業基準にも同様の考え方が組み込まれています。つまり、やってもやらなくてもよい配慮ではなく、守るべき手順のひとつだということです。実務上の留意点もあります。冬場は水が凍って足場が滑りやすくなるため散水量の調整が要り、水道を使うぶんの費用や、濁った排水が道路や側溝へ流れ出ないようにする養生も必要になります。近隣から粉じんの相談が出たときは、まず散水が十分に行われているかを業者に確認するのが早道です。